2018.05.11 11:04妖のおはなし:狼の眉毛(第十三話)狼の眉毛 発祥地:三陸(青森、岩手、宮城)、新潟、秩父、広島「狼の眉毛」という昔話は、「狼のまつ毛」という名で伝わっている地方もある様です。四方を山で囲まれた村での話で四山にはそれぞれ狼が居ました。主人公は真人間(若しくは正直な貧乏人)で、欲深い嫁と暮らして居た(または独身、お爺さんと長者は対になり)毎度毎度、長者や村の人から鍋を受け取り...
2018.05.04 09:10妖のおはなし:置池堀(第十二話)置行堀 所在地:東京都墨田区錦糸町、堀切、埼玉県川越市置行堀は本所七不思議の一つに数えられてます。そのお堀は錦糸町辺りにあったとされ、魚が入れ食いで面白い様に釣れ帰ろうとすると堀から「置いてけ〜置いてけ〜」と声がする・・・というお話です。ここから先なのですが実は色々なパターンがありまして「怖くなって魚を逃す」「驚いて逃げ帰ると釣ったはずの...
2018.04.27 09:43妖のおはなし:飛頭蛮(ろくろくび)(第十一話)飛頭蛮(ろくろくび)生息地: 関東、中部、四国、九州の一部一般には轆轤首の漢字を使用します。また落語などでは「ろくろっ首」とも言います。寝ている間に首が延々と伸びていく怪、またタイプとして伸びた首が身体を離れ飛び回り人を襲う、こちらは「ぬけ首」と呼ばれ妖怪図鑑などの絵巻にはこの名が書かれております。飛頭蛮(ひとうばん)の名もそれに当たり画...
2018.04.20 10:00妖のおはなし:濡女(第十話)濡女 生息地:島根県、新潟県、福島県、長崎県、福岡県など「ぬれおんな」「ぬれおなご」「ぬれよめじょ」とも言われ、川岸に立って人を食らう女怪。髪の毛が濡れている女の姿、或いは髪を洗っている女の姿だったりもします、そのイメージは姑獲鳥(こかくちょう/うぶめ)という妖怪との共通点があります。しかし濡女の多くのイメージは半人半蛇の蛇身で伝わってお...
2018.04.13 09:00妖のおはなし:こんな晩(第九話)こんな晩 発祥元:日本各地、古典会談日本各地に残される古典怪談の一つで、多くの場合、題名は「六部殺し」と呼ばれております。題名の六部というのは人の苗字ではなく六十六部の略で66カ所の寺社に写経した法華経を奉納する、巡礼、または巡礼の僧のことを言います。その六部の僧が月の綺麗な夜にあるお百姓さん夫婦の家に一夜の宿を乞います、夫婦は快く迎えて...
2018.04.06 09:12妖のおはなし:文車妖妃(ふぐるまようひ)(第八話)文車妖妃 生息地:江戸或いは京の都「古しへの 文見し人のたまなれや おもへばあかぬ白魚となりけりかしこき聖のふみにこころをとめし さへかくのごとしましてや執着のおもひをこめし 千束の玉章にはかかるあやしきかたちをもあらはしぬべしと 夢の中におもひぬ」これは鳥山石燕の「百器徒然袋 文車妖妃」に書かれた一文であります。文車妖妃は何処かの地方...
2018.03.30 09:39妖のおはなし:大太郎法師(だいだらぼっち)(第七話)大太郎法師 生息地:日本全国大太郎法師は国産みの際に遣わされた大人(おおひと)・古代神です。その大きさは天にも届くと言われ、日本各地の山を作ったり、山を作る際に踏ん張った或いは地団駄を踏んだ跡が湖になったりと、大きな山や湖には大太郎法師伝説が多く残されてます。デイダラボッチ、レイラボッチ、ダイダラ坊、タイタン坊、等との呼び名が地方に寄って...
2018.03.23 09:05妖のおはなし:つらら娘(第六話)つらら娘 生息地:新潟県雪女が雪の化身であるなら、つらら娘はその名の通り氷柱の化身でありますので妖精の類いであろうと思われます。東北には氷柱の精の話が多いのですが地方に寄って名前どころか推定年齢が違ってたりいたします。つらら女とか、つらら女房、山形のすが女房、新潟県や富山県の一部では、氷柱をかねっこり、と言うらしく、新潟県では娘の姿をして...
2018.03.16 07:51妖のおはなし:白い女(第五話)白い女 発祥元:現代怪談幽霊画として通称白い幽霊というのがありまして霞の様にふわっとしております。幽霊とは文字通り幽かな霊で円山応挙が広めたとされる下半身が透けてオーバーラップしている様なイメージでしょうか。現在では霊だけでイメージが統一されておりますが。昔はこの霊という言葉には様々な分け方で考えられておりまして、古くは鬼が幽霊の意味で後...
2018.03.09 09:05妖のおはなし:泥田坊(第四話)泥田坊(どろたぼう)生息地: 東北と江戸 「むかし北国に翁あり、子孫のためにいささかの田地をかひ置て寒暑風雨をさけず時々の耕作おこたらざりしに。この翁死してよりその子酒にふけりて農業を事とせず、はてにはこの田地を他人にうりあたへれば、夜な々々目の一つあるくろきものいでて、田かへせ々々とののしりけり。これを泥田坊といふとぞ」・・...
2018.03.02 00:54妖のおはなし:おくり人(第三話)おくり人 発祥元:現代怪談妖怪とは本来、妖しい怪しいモノ全般を指し、現在ではそういった化け物の図説化されたものをキャラクターとして理解されている傾向にあります。そのキャラクターを昔は化け物と呼び、化け物の幼児語がお化けなのだとすると現在お化けとして認知されいるのものが幽霊つまり元、人だったモノとなります。この幽霊という言葉も現在は単に霊と...
2018.02.23 09:05妖のおはなし:覚(第二話)覚(さとり) 生息地:日本全国覚のお話の多くは山中で山人が焚き火にあたっていると化け物がやって来て「こいつは何だ?と思ったろう?」「食われるんじゃないか?と思ったろう?」などと人の考えを言い当てられ、段々怖くなって手元が狂い若しくは炭や木片が爆ぜてそれが覚の目に当たり「人の知恵、さとり難し。」と逃げ去る。といったお話で、鳥山石燕の「画図続...