妖のおはなし:大太郎法師(だいだらぼっち)(第七話)

大太郎法師 生息地:日本全国

大太郎法師は国産みの際に遣わされた大人(おおひと)・古代神です。その大きさは天にも届くと言われ、日本各地の山を作ったり、山を作る際に踏ん張った或いは地団駄を踏んだ跡が湖になったりと、大きな山や湖には大太郎法師伝説が多く残されてます。デイダラボッチ、レイラボッチ、ダイダラ坊、タイタン坊、等との呼び名が地方に寄って違う名前で同様の伝説が残されており、タイタン坊とギリシャ神話の巨人族タイタン(Titan)の関連性は不明ですが何やら共通点は感じます。

大太郎法師は富士山を作る時に近江の土を掘り返したので琵琶湖が出来たとか、子供たちを手に乗せ歩き山をまたいだ際に手が滑って子供たちを落っことしてしまった、大太郎法師の手をついてできた窪地に涙が流れて出来たのが浜名湖になったとか、赤城山に座り利根川で足を洗ったとか、東京都世田谷区の世田谷代田(せたがやだいた)さいたま市の「太田窪」(だいたくぼ)などダイタと付く地名は大太郎法師の足跡との伝説があります。ダイタラのタラはタタラとも関わりがあるとする研究もあり、また富士山を綱で引っ張って移動しようとするお話には出雲の「国引き神話」の影響も感じられます。

絵本百物語に見える「讃岐の手洗い鬼」と云う妖怪は大太郎法師の使いとされ、四国の海で三里の距離の山を跨いで手を洗う絵が残されているとか、とにかくスケールの大きな話が多く聞いていて楽しいです。

日本各地の山や湖川を作り終えた大太郎法師は何処かに去っていってしまいました。自然に対する敬意や畏怖心が大太郎法師伝説を産んだのだとしたら人は、またいつか大太郎法師に会うことができる日が来るのでしょうか?

(妖ばなし文芸部/文責:杉本末男(chara)・イラスト:けんじゅー)


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