妖のおはなし:濡女(第十話)

濡女 生息地:島根県、新潟県、福島県、長崎県、福岡県など

「ぬれおんな」「ぬれおなご」「ぬれよめじょ」とも言われ、川岸に立って人を食らう女怪。髪の毛が濡れている女の姿、或いは髪を洗っている女の姿だったりもします、そのイメージは姑獲鳥(こかくちょう/うぶめ)という妖怪との共通点があります。しかし濡女の多くのイメージは半人半蛇の蛇身で伝わっております。蛇女と云う妖怪の多くの話は蛇が化けたモノとされておりまして、蛇女と云う妖怪名は近年になってからのものらしく、おそらく西洋のお話が入って来てからの気がします。現在の人がイメージする蛇女のビジュアルは鳥山石燕の「画図百鬼夜行」や佐脇嵩之の「妖怪図鑑」に描かれた濡女様であります。

越後と会津の境目の川岸に現れた髪を洗っている怪しい女を見かけた船乗りが悲鳴をあげて逃げ、仲間の船乗りに「大蛇よりもっと恐ろしい濡女を見た!」と言っている伝説があるのを見るとやはり蛇身なのでしょうね。また濡女は海にも現れる伝説も残されております、そのため長崎の磯女と云う妖怪とも混同されておりまして、海に出る濡女は海蛇の化身であるとされております。

島根県石見地方の伝説では姑獲鳥の様に赤ん坊を抱いて現れますが舞台は海です。赤ん坊を抱いてくださいと頼み、赤ん坊を抱くと海から牛鬼が出てきて、驚いて逃げようとすると赤ん坊は石に変わりしかも手から離れない。そうしているうちに牛鬼に喰われてしまうと云われております。この場合は牛鬼伝説がある島根県で伝わっている所為か牛鬼と同一視されております。濡女の尾は3町先まで届くとされ見つかったら絶対逃れることは出来ないと云われております。夜のひと気の無い川岸で髪の濡れた女性と出会い声をかけたら恐ろしい目に遭ったと云うシチュエーションは現代でも男の場合、何となく想像に難しくないです。

(妖ばなし文芸部/文責:杉本末男(chara)・イラスト:けんじゅー)

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